借金の始まりはパチンコだった

「いま思い出しても怖くて鳥肌が立つほどだ」と昔の借金地獄を語ったのが、友人のAだった。Aは38歳のサラリーマン。

大学生の頃からパチンコにはまり、15年くらい前に、アコムをはじめ複数の消費者金融からお金を借りては返す自転車操業の毎日を続けた挙げ句、とうとう払えなくなって入社したばかりの大手企業を辞め、それまで住んでいた東京から縁もゆかりもない九州へ逃げるように都落ちしてきた男だった。

日雇いのアルバイトで何とか食いつなぎ、将来の希望などない荒んだ暮らしを続けてていたAだったが、ふとしたことから外食チェーンの社長に気に入られ、居酒屋へ店長候補として転職。複数の店舗で店長としての実績を挙げたAは、九州地区のスーパーバイザーへ抜擢されると同時に、社長の遠縁にあたる女性を結婚相手として紹介されたのだ。

しかし、Aは昔の借金を放置し、そのまま逃げ隠れを続けてきた男。進退伺いを提出し、社長に洗いざらい自分の過去を打ち明けた。黙ってAの話を聞いていた社長。

「話は分かった。今のままではSVを任せられないし、結婚もさせるわけにはいかない。まず、きれいな身体になろうや」と言って、ある司法書士事務所へAを連れて行った。

「・・・ということで先生、Aの昔の借金はもう時効だと思うんですが、援用手続きをしてきれいな身体にしてもらえませんか」と相談してくれたのだ。

そして、Aはアコムをはじめ複数の消費者金融から借りた借金を時効の援用でなかったことにしてもらい、晴れてスーパーバイザーの職へも就くことができた。

時効が成立してから5年が過ぎ、信用情報機関のブラックリストからもAの名は消えたという。今は、結婚して子どもが生まれ、幸せな生活を営んでいるA。

「この子が小学校に上がる前までには、マイホームをなんとかしたいですね!もう絶対にパチンコには手を出しませんよ」と言い切った。

昔の借金を時効にする